アガサクリスティー作品の1つである「ゼロ時間へ」
この作品はマイナーなのでレビューがほとんど見つかりません。
ただ、個人的には考え方が面白く、ミステリー好きなら十分楽しめる作品であると感じています。
この記事は以下の人におすすめです。
- マイナーなアガサクリスティー作品を読んでみたい。
- わかりやすいミステリーを読みたい。
- マイナーな作品を読んで通ぶりたい。
あらすじ
静寂に包まれたその部屋には、たった1人の人間がペンを滑らせていた。
そこにつづられている内容は最新の注意と努力を払って練られた殺人計画だった。
その数か月後、ある漁村で殺人事件が起こる。
殺人の企てられる瞬間から殺人の瞬間”ゼロ時間へ”遡っていく。
その収束点を見つけることはできるのか。
おすすめの理由1
この作品をおすすめする理由の1つ目は、わかりやすいミスディレクションを楽しめるです。
ミスディレクションを誘おうとすると話の流れが散り散りになってしまい
話の方向性がわからなくなってしまうことがあります。
後述するのですが、この作品は終了へと収束するのでわかりやすいミスディレクションに誘われます。
私も読み終えたときに
やられた!
ミスディレクションに誘われた!
と思って、すごく楽しむことができました。
おすすめの理由2
この作品をおすすめする理由の2つ目は、作品の考え方が面白いです。
この作品は1つの重要な考えによって作成されています。
作中の文章を抜粋すると
あらゆるものが、ある一点に向かって集中しているのだ…
そして、その〈時〉がやってくると爆発するのだ!ゼロ時間!
そうだ、ありとあらゆるものが、このゼロ時間の一点に集中されている。
アガサクリスティー 「ゼロ時間へ」
これがこの作品の根幹になります。
アガサクリスティーは本の虫であり、シャーロックホームズシリーズを何回も読破していました。
おそらく、それを読んでいて自分が思いついていたことを物語の登場人物に語らせたのだと思います。
「物語が始まるときには終了している。」
この考え方をしている名作はいくつもあり(某忍者漫画、世界的に有名な魔法使いの話)、
名作を生み出せる人ならではの考え方なのだと思います。
まとめ
いかがでしょうか
「ゼロ時間へ」をおすすめする理由は
- わかりやすいミスディレクションを楽しめる
- 作品の考え方が面白い
です。
現代のミステリーは難しくしようとして、理解するのが困難ということがあります。
しかし、この作品は十分にわかりやすくできているので
初心者の人でもミスディレクションを体感しやすいと思います。
ぜひ一度読んでみてください。
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