「スタイルズ荘の怪事件」はアガサクリスティーの記念すべき一作目です。
この作品から、多くの名作が生まれました。
「ABC殺人事件」や「オリエント急行殺人事件」を読んで比較すると初めての作品だなと
感じる部分が多くあり、所々に大好きなシャーロックホームズシリーズのオマージュが見られます。
アガサクリスティー作品の名作を読んだ後に読んでみると初々しさを感じることができるので
ぜひ読んでみてほしいと思います。
この記事は以下の人におすすめです。
- アガサクリスティーの他作品を何冊か読んでいる。
- シャーロックホームズシリーズを読んだことがある。
あらすじ
旧友の招きでスタイルズ荘を訪れた傷病兵のヘイスティングスは、屋敷の女主人が毒殺される
殺人事件に巻き込まれる。
この難事件に対して、ベルギーから亡命していた元刑事でヘイスティングスの友人のポアロが
調査に向かう。
殺人の裏側にうごめく遺産の影…全員がお金に困っており、殺人を犯す可能性がある…
ポアロはこの難事件を解決することができるのか
この作品の面白い点1
この作品が面白い点の1つ目は、シャーロックホームズシリーズのオマージュが見られる点です。
この作品は、前線から傷病により本国へ帰還したヘイスティングスの手記形式により話が展開します。
まず負傷兵という部分について、ある作品でも負傷した医学博士から話がスタートします。
その医学博士とは?
シャーロックホームズシリーズのジョン・ワトソンです。
また手記についても、シャーロックホームズシリーズはジョン・ワトソンの手記形式で事件が語られていきます。
シャーロックホームズシリーズを知っていると
アガサクリスティーは
シャーロックホームズが本当に好きだったんだな
と感じる部分が出てきて、とても楽しむことができます。
ちなみにアガサクリスティーの名作と呼ばれる作品で
手記形式がとられているのは「アクロイド殺し」のみです。
他は、自分が物語の第3者として話が展開していきます。
そして、作中で出てくる毒薬のストリキニーネもシャーロックホームズで出てくるアルカロイド系の毒薬です。
(こちらは昔のミステリーで頻出かもしれませんが…)
他にもオマージュを見つけられると面白いかもしれません。
この作品の面白い点2
この作品の面白い点の2つ目は、どんでん返しが何回もあるです。
アガサクリスティー作品で何回も目にすることになる「ミスディレクション」ですが
この作品でも健在です。
1作目であるこの作品から、ここまで色々な伏線を組み込めるのはすごいなと感心してしまします。
何作か読んでいると気づくのですが、同時並行で別の話が描かれているため
怪しく感じ、ミスディレクションにつながるんだろうなと感じます。
少なくとも2回は犯人を読み間違えると思うので、この悔しさを感じてほしいと思います。
まとめ
以上になります。
本作品の面白い点は
- シャーロックホームズシリーズのオマージュが見られる。
- どんでん返しが何回かある。
です。
名作も面白いですが、名作が生まれたデビュー作も十分面白いです。
名作もスタートは誰かの真似から始まるのだと、
「物事を始めるのに独創性は必要ない独創性を発揮するのは慣れてから」
と考えさせられる作品です。
ぜひ、手に取って読んでみてください。
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